升次郎とは
唯一無二の商品
弊社が取り扱う錫合金は、東京アンチモニー工芸協同組合と東京都立産業技術研究センターが共同開発した新素材「エテナ」であり、錫100%より強度があるうえ、銀に近い光沢があります。
この「エテナ」を素材に、300年の歴史がある京錫、浪速錫、薩摩錫などの錫器との製造方法とは異なり、金型に湯(溶かした錫合金)を入れて高度の技術を持った職人が一つ一つ鋳造する特許技術の製法「金型手鋳造成形法」という日本独自の伝統技法を取り入れているのが大きな特徴です。
この素材と製法によって、海外製品及び従来の錫器では成し得ない、錫器の鏡面仕上げと、鏡面に対し綺麗な凸模様を鮮明に表現することに成功し、完成した錫器は銀製品のような輝きを放ちます。
現在、世界的に見ても、鏡面仕上げの凸模様の技術を保有しているのは、弊社のみです。
この製法は、平成27年に経済産業大臣から「伝統的工芸品」に指定されております。
升次郎の特徴
「升」は古来より日本人にとってなじみ深い商品ですが、現在、金属素材の「升」は存在せず、木製やプラスチック製しか存在していません。
「升」を金属素材で鋳造するために、プレス加工と溶接で厚みのある四角い構造を実現するという方法では、不可能に近いほど高い溶接技術が求められ、通常の技術では中面が美しく仕上がらないという大きな欠点がありました。
そこで、鋳型の流し込みでの方法でしか実現できないと思いましたが、この方法でも、非常に高い技術力が求められる上、金属素材を使うことで商品自体が非常に重くなるという欠点がありました。そのため、金属素材は「升」に適さず、木製やプラスチック製しか存在しない理由でした。
しかし、升次郎は、技術的に難しい”中空構造”を実現し、軽量化を図ることによって錫製の「升」となっております。