錫器の特徴

錫器の歴史

錫は錫石という鉱石を炭素などで還元、電気分解してつくられる希少性の高い金属素材です。

錫器の歴史は大変古く、世界最古の錫器は3,500年も前のものと言われています。

飛鳥・奈良時代の頃、錫器の制作技術が中国から我が国に伝えられ、酒器や茶器は社寺をはじめ、貴族・武士階級に愛用されていました。

江戸時代には、錫器がそれまでの特権階級のものから、町民階級にも慣れ親しまれ、酒器、中でも特に注器としてもてはやされました。 その後、これまでに日本国内で様々な製造方法により多様な商品が生まれています。

錫商品の特徴

錫は無害であり、実用品としても安心して、ていねいに扱うことで末永くご使用いただけます。
銀のように黒ずんだり錆びたりすることはありません。

錫器は長く使用していくと、表面が灰色がかってきたり、光沢がやわらかくなったりして、なんともいえない落ち着きが出てきます。
これも錫らしい味が感じられてそれがそれで良いのですが、気になる場合には、柔らかい布などで表面を磨くことによって元の光沢を取り戻すことができます。
このようにして、きちんとお手入れをすると、いつまでもきれいな状態で楽しむことができます。

錫の価値は金、銀に次ぐものと評されており、金と同様に水を浄化する作用があるといわれ、錫器を用いると「お酒が美味しくなる」「芳味を増す」といった特性を趣味人に好まれ、酒器や茶器として使われています。

錫婚式

夫婦が永遠の愛を誓い合った日をお祝いする結婚記念日。

結婚記念日の中で、結婚25年目を祝う銀婚式、結婚50年目を祝う金婚式というように、結婚10年目を祝う錫婚式と呼び名が付いています。

結婚記念日発祥の地であるイギリスでは、15年目までは1年単位、それ以降では5年単位で祝う風習があり、記念日に贈る物の名前がそれぞれに付いているそうです。

「錫」は金属の中で柔らかい特性があるため、割れないという特長を持ち、また、空気中でも水中でも錆びないため、縁起の良いものとして扱われてきました。

「ます」は言葉の響きから「福が増す」「愛が増す」といった意味や、「益す」という読み方もできることから「益々繁盛」という意味でとられることもあります。

さらに、古来より神様のお供え物を入れるための器としても使われてきたため、何かおめでたい行事を行う時に好んで使われています。

これからも続く永く美しい結婚生活を誓い合うにふさわしい、結婚10年目の錫婚式に「升次郎」を贈りませんか?